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草木染め・オリジナルテキスタイルで作るカジュアルウェア

スタッフ日記アパレル素人から始まったお店、5年目を迎えられるに至ったこれまで。2020.01.12

ATCHです。

2020年は、お仲間を集めて、新春お餅つきでスタートしました。

楽しいスタートをきっかけに、
干場もいっぱい、ミシンも音を立てながら、
一つ一つ丁寧に製作をさせていただいています。

さて、お店の運営者として、
新年スタートの際に改めてuzuを振り返り、お店のこれからを考えてみました。
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:uzuは、アパレル素人からのスタートだった

2016年に開業した渦。
アパレル業界とは全く無縁の夫婦が始めたお店でした。

開業時は、まわりから「大丈夫か??」とご心配をいただきながらも(汗)、
早いもので今年は5年目に突入です。

試行錯誤しながら、時には方向転換もしながらお店の運営をしてきました。

最初は、アパレル業界未経験で全くの素人でしたので、
とにかくわからないことだらけ、、、

今考えてみれば、色々と苦労はありましたが、

繊維業界やアパレル業界の「当たり前」を知らなかったことで、
自分たちが目指す方向が見えてきたとも思っています。

これからも、まずはやってみる!!というチャレンジ精神のもと、
新しいデザインや商品を生み出してご提供していきたいと思います。


:「当たり前」を知らなかったからできたこと

恥ずかしながら、

「そもそも服って、国内ではどこで作られてるんだろう??
どうゆう業者がいるんだろう??」

開業する直前に、夫婦で話したのを思い出します。

実際に足を運んで、生産の現場でお話をしたり、教えていただきながら、服ができるまでに必要なことを学んできました。(現在も日々勉強中です。)

原料の栽培、紡績、機織りや編み、染色、デザイン、縫製、販売

などなど、細かく言えばもっとたくさん工程があり、
それぞれがかなり高度に分業化されていることを学んできました。

いろんな業者様と、現在はお取引させていただいておりますが、
スタート時は、全て「小ロット」で作らないといけませんでした、、、

生地買い付けに加え、その他工程をプロの業者様にお願いしたかったのですが、
極小ロットは効率が悪いので 、「お断り」ということも多々直面、、、

しかしながら、業界の「当たり前」を知らない私たちは、
無理をお願いをしていると知らないまま(汗)、、、
通常は受けていただけないような量でも、
近隣の業者様にかなり助けていただいてきました。

ほとんどが、「この地域でがんばっているから」という理由でご協力いただき、
今思えば感謝感謝です。

そうやって助けていただきながらも、
たくさんの工程を自分たちで行わざるを得ませんでしたので

そんな経緯から、生地買い付け、染色、縫製、販売までを現在も自分たちで行なっています。
(基本的には、卸販売は現在ほとんどしておりませんので、
店頭、またはオンラインショップのみ、自分たちの手の届く範囲でお届けしています。)



おかげで、
全てが自分たちの知識となっていき、
責任を感じてものづくりに向き合うことができる要因となりました。

また、近隣の生産現場の皆様にも助けていただいていることから、
そのこだわりやストーリーをお伝えするような「三河発のブランド作り」にも方向が自然と定っていきました。

無知とは恐いものですが、そのおかげで今があります(汗)。

今日も倉庫で生地を眺めながら、どんな形にしようかと
みんなで楽しみながら頭を悩ませています。

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:素人がゆえに、繊維業界で感じる問題点

話は変わりますが、
素人がゆえに、繊維業界で感じる問題もありました。

「この業界の先行きは暗い」
と、ネガティブな声をよく耳にすることです。

近隣の糸へん業界の方がやめられてしまうと、
非常に困るのですが、長年営んでこられたのみなさんは
「仕方がないこと」と、衰退産業の位置ずけを受け入れてしまっていることが多いです、、、

「次世代に継がずに、自分のできるところまでやって終わり」
と考えている小規模経営の現場の本音が届いてきます。
長年やってこられた商売の感覚をお持ちですので、
その事実は間違いないと思いますが、
素人ゆえ、いいアイディア次第でなんとかならないかな〜、
と考えてしまいます。

全ての工程が分業化され、効率よく生産をこなすことで発展してきたこの業界。

昭和の時代から機織りをしているご主人とよくお話をするのですが、
景気がよかった時代もあったが、
「時代は変わった」と皆口を揃えて言います。

たくさん作って、モノがあれば売れる時代が終わり、
海外に需要がとって変わられてしまいました。

さまざな業界で、「変化への対応」の遅れがよく指摘されていますが、
繊維加工業の現場は、実際にどんどん数が減っています。
(uzuのある西尾市内も含め、三河湾沿岸部の機屋さんを含める関連事業者数は
昭和の全盛期から約十分の一以下になったそうです。)

現在では、スマホ一つで、世界中から様々な情報を得て、
様々な商品を選ぶことが可能な時代なのに、
服ができるまでの情報って、意外と詳細が手に入りません。

織物業者さんを訪れる時に、
「自分の織っている生地が、何に使われているか知らない」といったことが普通によくあります。

反対に、
販売員の方が、どこで織られた生地、どんな工程で作られたか知らないということもよくあります。

生産者も、販売者も、
どこでどうやって、作られているか、売られているか、
自分の工程以外の情報が届かないということが、
非常に大きな問題点だと素人ながら感じました。

それは、
景気よかった時代に形作られた、生産、流通方法のデメリット。

効率よくモノづくりはできる一方、高度に分業化され、
たくさんの業者さんを挟むことで、互いに情報を共有できない状態、、、

全世界の情報が素早くキャッチできる時代だからこそ、
生み出される技術や商品が、価値あるものになるため、
モノづくりの工程が丁寧に発信され、情報が共有される必要があると思います。

(ちなみに、工程を細分化することで量産を体系化した生産体制や物流は素晴らしいものだと思っており否定はしていません。個人の主観としては、供給量が多く資本のある大手は限られて残っていき、小さく細々と対応する小規模なお店と2極化が進んでいると感じています。)
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:買う理由、説明したくなるモノ

断捨離を夫婦でよくするのですが、
最近はフリマアプリも充実し、とにかく必要のないものは、手放しやすくなりました。
ものが減ると気持ちがとてもスッキリしますよね♪

しかし、そんな中でも、捨てられないものがよくあります。

「それって一体なんでだろう??」と、ふとよく考えます。

お気に入りのモノは、実は人に語りたくなるような理由がある!!

それがゆえに、大切になるのだと考えています。

たくさんのモノが家にありますが、
果たして説明できるような商品っていくつあるでしょうか??

販売員の方に教えてもらったこと、インターネットから得た情報、
商品のこだわりを知っていたり、または、旅行にいった時の思い出の品だったり。

モノを大切にしたくなる理由がそれぞれあると思います。

お店を運営していく中で、
偶然にも、ものづくりのプロセスを一貫して行なっていることで、
お客様に自然と自分たちのこだわりやその工程をお伝えすることができてきました。

そこが、小さな私たちのお店が5年間やってこられた理由かもしれません。
自然と様々な情報が伝わったところから、
「お客様に商品を大切にしていただいている」
と恐縮ながら感じています。
色あせた当店商品もたくさん染め重ねして使っていたいただいています。

そんな強みをより強化し、
三河発のローカルブランドとして、様々な業者様と協力をしながら、
しっかりとストーリーをお届けできることを大切にしていきたいと思います。

商品を考え、企画、デザインするお店として、
情報を共有できない状態がないように、
生産現場から販売までの橋渡しになれるように尽力したいと思います。

2020年は、皆様にuzuのアイテムを語っていただけるようなモノ作り、発信をしていきます。