デジタル進化の中、UZUiRO服づくりのこれから / 連載 第10話
UZUiRO 10th Decade of Colors
——省力化とこだわり、その間にある「つくる楽しさ」
技術が進化しても、服づくりの原点は「人の感覚」。
デジタル化やAIの波の中で、UZUiROがどうやって“らしさ”を守りながら前に進もうとしているのか。
今回は代表のあっちが、ものづくりの現場から感じていることを綴ります。
ハンドメイドから始まったブランドが、今CADを導入する理由

UZUiROはもともと、家庭用ミシンと紙の型紙からスタートしました。
すべてが手作業で、型紙の修正もハサミと鉛筆。洗うと縮む生地のクセに悩まされながら、一本一本の線を手で引いてきました。
でも、ブランドが10年目を迎えた今、ようやく「CAD(キャド)」というデジタルの型紙システムを導入しました。服づくりの設計をパソコンで作り、データで管理し、再現性を高めるためのツールです。
縮率や寸法を正確に把握し、同じクオリティで次の一着を作ることができる。さらに、自動裁断機も合わせて導入し、裁断で「体力使って疲れた〜、、、」というスタッフの悲鳴も改善されると思います。

ただ、これは単に「効率化のための導入」ではありません。
UZUiROにとってデジタル化は、“人の感覚をより正確に伝えるための道具”という考え方を大切にしています。
そして、作り手が感じる“あと少し変えるとよくなる”の感覚を、正確に出すための手段でもあります。
“あと少し変えるとよくなる”に宿るもの

服を作っていると、「あと5ミリ短いほうがきれい」「このカーブは少し緩いほうが女性らしい」といった判断が、常にあります。
それはデータでは測れない“感覚”の世界。デジタル化は、たしかに作業は速くなるけれど、頼りすぎると、どこか“無難”な服になってしまうこともあります。
それをUZUiROらしいと思う服になるのは、最後の「よし、これだ」と決める部分は必ず人の感覚で確かめ修正すること。
それはUZUiROの服づくりの大切に変えないように決めている哲学です。

手で確かめた感覚、袖を通したときの“いい”という直感。
それこそがUZUiROの服づくりの根っこであり、デジタルでは置き換えられない部分だと感じています。
AIが服をデザインできる時代に、UZUiROは何を残すのか
最近では、AIを使って服のデザインを作ることもできるようになりました。「こういう雰囲気で」「こういう色味で」と指示を出すだけで、数秒で画像が出てくる。一昔前なら考えられなかったスピードです。

でも、AIがどんなに優れていても、“袖を通した瞬間に感じる心の動き”までは今のところ再現できません。
それは、作り手が生地を触って、形を悩んで、試行錯誤して生まれる一定の基準では測れない“人の感覚”のようなもの。
私たちが大切にしているのは「便利に作ること」ではなく、“ストーリーを感じられる服”を作ることです。
効率化を進めながらも、あくまで中心にあるのは“人の手”と“感覚”。汗を流しがら作られた地域の生産者の生地への想いを、服という形にして届けること。だからUZUiROでは、省力化とこだわり、その両方のあいだにある“ちょうどいいバランス”を探し続けています。
現場が変わると、空気も変わる
CADを導入してから、工房の空気が少し変わりました。
これまでは、パターンを修正するたびに外部のパタンナーさんにお願いしていましたが、今ではその場で修正できるようになりました。

「このラインをもう少し細くしたい」「この丈、あと2センチ短くしてみよう」——
そういったアイデアを、感覚のまま形にできる。このスピード感と自由さは、私たちの“現場力”を確実に高めています。
一方で、便利になることで失われるものもある。
手で型紙を引いていたときの苦労や、試行錯誤の時間。
でも、それを「もう古いやり方」と切り捨てるのではなく、“良い部分を残しながら次に進む”。
これがUZUiROのいま考えているやり方です。
変化を恐れず、楽しむこと
デジタル化を進めるとき、一番大切なのは“怖がらないこと”だと思います。
わからないことがあっても、とりあえず触ってみる。試してみる。

実際、ブランドマネージャーのオレオも、最初はCADなんてまったく触ったことがなかった。
それでも、失敗を恐れずに使いこなしていくうちに、今では社内ではかなり理解度が深まり、縫製部のUZUiROクルーの子と一緒に
「ここはこっちに揃えるといいんじゃない?!」など、討論しながらの習得を進めています。
デジタル化もそうですが、時代とともに様々な環境が変わっていきます。
だから、変化を恐れず対応することは当然大切です。でも、どんな環境でも服を作ることが楽しいという感覚を忘れずに進んでいきたいものです。

↑↑ ポケット付マフラー/4カラー/三河産ニット/MOTTAiiNA
結論!!
服づくりは、いつの時代も“楽しい”からこそ続けられる。
これは、服作りだけでなく、他のどんなことも当てはまるんじゃないのかなと。
どんなに便利な時代になっても、最後に残るのは“人と人から生まれる喜び”と信じてやっていくしかない。
その感覚を大切にしながら、これからもUZUiROは進んでいきます。
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