スタッフ日記素人からアパレル店をスタート!5年の節目に向けて、衣服づくりで想うこと①/ デザイン編 「あえて、とじこもる」2020.11.22
ATCHです。
三河地域を中心に、地場の素材を使って衣服を企画し、製作し、販売している当店が、
5年という節目に向けて、現在の「衣服づくりで想うこと」を未熟ながらも書いていこうと思います。
開業当初の5年前は、
平日は自分たちで全ての工程を手作業で行なって製作し、
週末にイベントなどへ完成品を持っていき手売りをするという繰り返しでした。
店舗ができ、オンラインストアご利用のお客様も次第に増え、
ありがたいことに製作しなければならい商品数も増えました。
夫婦二人から現在は4名の仲間も加わり、
生産体制も変化し、糸の買い付け、生地の企画、
染色下処理、パタンナー、縫製工場への外注など、
地元繊維加工の現場とのお付き合いも多くなり、たくさんの方と携わるようになりました。
そんな変化の中で、開業以来 、「デザイン」という壁にぶつかっては乗り越えての連続だったような気がします。
そもそも、自分たちの目指すべきデザインは何か??
そして、必要とされるデザインは何か??
常に悩み、今も現在進行形で考え続けています。
「これだ!!」とそのときは思っても、また違うんじゃないかと悩みはじめます。
いつも決めていることと言えば、 そもそも小さなお店なので、
「とんでもなく移り変わりの早い世の中のスピードに
商品やデザインがついていけるはずがない!」
と割り切って考えるようにしていることです。
しかし、そんなふうに言っておいて、そこが結構ブレそうになります。
それは、なかなか商品でいい反応が得られないとき、、、
そんな状況が続くと、
「
ん〜、世の中はこんなものが流行しているのか、、、
」
と溢れる情報に振り回されそうになります。
私オーナーが販売マーケティングを担当し、妻OREOがデザイン製作を担当しています。
売る立場と作る立場の意見を交えて二人で商品展開を考えるのですが、
なかなかいい反応が得られないときは、
「いったん、殻にこもろう!!」
と世の中の情報から切り離して考えるように心がけ、
そして、作りたいものを作ろうと二人で言い出します。
そして、そんな時ほど完成品が さらに評価を得られないものになってドツボにハマるのを繰り返し、、、
そんなこんなで、いろんな失敗の繰り返しなのですが、
何度も何度も新作を考えて、少しだけ納得の行く時があると壁を乗り越えた気がして
それが嬉しくてお店はやめられません。
よくよく考えると、
その壁を乗り越えるのは、たいていは近隣業者の皆さんとのお付き合いのおかげなんです。
またスタッフのふとした意見もたくさん取り入れるように心がけていることが
新たなアイディアの元だったりします。
改めてこの5年を振り返ってみると、
最初は自分たちが作れるものを自由に作る
↓
お客さんの反応を見る
↓
必要とされるものを作ろうとする
↓
自分たち以外のスキルが必要となる
↓
3人の子育て中のため、外注するにあたって、
遠方へ出かけられない
↓
地元の繊維加工業者の方へお願いする
↓
近隣地域にある技術の中でデザインする
↓
スタッフの意見も取り入れながら、改良の繰り返し
↓
作りたいもの、求められるものが一体なんなのかという狭間でまた悩む
3人の子育て真っ只中で、自由気ままに動きづらい生活環境の中、
車でさっと出かけてすぐに帰ってこられるという条件で活動をしているので、
つまり、自然にこの三河エリア近辺で
「殻にとじこもって」デザインすることは5年間継続されています。
おかげで、素人からスタートした私たちも、この地域の繊維加工についてはだいぶ知識も蓄積されてきました。
溢れんばかりの情報に振り回されそうになった時、
結局は、この地域にあるもの、できること、その中での最良のデザインとなるように考えている!!
思えば、その繰り返しのような気がします。
本当にラッキーなのですが、これまでの歴史からこの三河地域は一連の繊維加工ができる地域であったこと。
これは非常に大きかったです。ニッチな専門業者様もなくなったりしているので、これからできるだけこの地域で一連の加工が完結ができるようとにかく願います!!
今の世の中は、本当にたくさんの情報にすぐにアプローチできます。
そのおかげで、全国、そして海外のたくさんのお客様とも繋がることができました。
愛知県西尾市一色町という田舎でお店を続けることは、この情報化社会でなければできなかったこと。
しかし、逆にデザインの観点でいえば、溢れんばかりの情報が、
未熟な自分たちには、時にそれが迷いとなります。
「
ローカルストーリーをお届け」と
コンセプトではかっこよく言ってますが、
これは裏を返せば、この地域の繊維加工技術に頼って、自分たちの迷いを無くしてもらっているということ。
技術的にもできることが限られることが、自分たちのデザインの一貫性を保つということに繋がっています。
「あるものを生かす、あるものの中で考える」
そんな手探りの中でお店を始めた時に想うところが、現在も結局は根元にあるな〜と感じる今日この頃です。