スタッフ日記【製作だより】MOTTAiiNA-モッタイイナ- ニット製品シリーズ2022.07.18
当店では、開業当初から少しでも、
不要になったものを、アイディアと感性で”面白い”に変えよう!
というテーマを掲げ、微力ながら様々なことに取り組んできました。(詳しくはこちら)
そして、2020年冬より【MOTTAiiNA-モッタイイナ-】(アップサイクル企画)と名付けて気持ち新たに活動をスタートしました。
【MOTTAiiNA-モッタイイナ-】
三河エリアで行き場を失っている生地や糸を、当店のアイディアで”面白い”に変えよう!!!!
>>商品一覧はこちら<<
1.ハギレを活用したハギレシリーズ
2.買い手が無くなってしまった生地を活用した生地シリーズ
3.少量ずつ余ってしまった残り糸を活用したニット製品シリーズ
4.飲料として使用されなかった西尾の抹茶で染める抹茶シリーズ
今回ご紹介するのは、3の残り糸を活用したニット製品シリーズについてです♪
【MOTTAiiNA-モッタイイナ- ニット製品シリーズ】
日々、衣服を通してローカルストーリーをお届けすべく、三河湾エリアの繊維加工工場を走り回る私たち。
そこで生産者さんとお話をすると、生産の際に出てくる行き場を失った糸があり、捨てるに捨てられず困っていることを知りました。
そもそも、どうして糸が残ってしまうのでしょうか?
ニット製品シリーズをメインで作っていただいている、石川メリヤスさんにお話を伺いました。
糸が余ってしまう理由
1.不良を踏まえて多めに仕入れる
他業者さんから製品を受注する際、「200足作ってください。」と言われる希望ロットに対し、ギリギリで糸を仕入れて製作すると、糸のかけ違いや編みキズのものができたり、加工途中で不良在庫ができたりと、100%全て良品でできるわけではないため、余分に多く糸を仕入れて希望数量を納品できる体制を作っている。
2.継続的な発注を見越して糸を購入し、発注がストップしてしまう
よく売れるものについては、なるべく不足なくお届けできるように余分に糸や生地を大量に買ってストック!
しかし、売れ筋製品の変化が早い近年では、継続的な発注がパッとストップすることも多々あるそう…すると、余剰でストックしていた糸や生地は、そのまま行き場を失ってしまう。
上記、1・2の理由から、少しずつ本生産で使い切らずに余る糸。
次のオーダーなどで、「もしかしたら、また使えるかもしれない・・・」と、捨てずに倉庫に置いておく。
(※捨てるとお金もかかってしまうこともあり)
それがどんどん溜まっていくことで、最終的には行き場を失ってしまうのだそうです。
素材としては問題なくとも、出荷先がなくなってしまったり、数量が少なすぎてロットに満たかったりする素材。
しかし、ただ倉庫に眠らせておくのは、「もったいない」!!
・三河地域の繊維関連工場とのネットワーク
・商品企画と加工
・販売店として運営
これらが全て揃っている当店だからこその企画をやろう!!この地域から、ちょっといいことを発信できたら…
私たちの製作モデルで少しでもよい方向にアプローチできたらいいな。
そんな価値観を皆様と共有できたらいいな。
こうして生まれたのが、【MOTTAiiNA-モッタイイナ- 】です。
実は、昔から行われていた SDGsなアップサイクル
実は、繊維業界ではSDGsという言葉なんてない時代から、当たり前に様々なアップサイクルや、リユース、リサイクルが行われいました。
織物工場で出てしまう経糸を、軍手屋さんに集めて使ったり、反毛工場で余った生地などを、わたにしてから新たな糸に撚りなおしたりetc…
それらが激減したのは、やはりその「安かろう」なイメージに対して、時代とともに、わざわざ手間をかけてアップサイクル、リユース、リサイクルするためのコストが、見合わなくなっていったからと繊維関連の現場でお話を聞きました。
そんな状況とは裏腹に、世界の環境、生産活動の意識改善は待ったなしで変革が求められています。
ある素材の中で、商品としてハイクオリティであること、そしてSDGsを配慮した新しい価値をストーリーとしてお伝えすることで、もったいない素材がさらにたくさん有効利用されるようなきっかけになればと思っています。
そんなMOTTAiiNAなポイントに共感してお客様にご購入いただいた時は、すごく嬉しい気持ちになります♪
MOTTAiiNAのニット製品シリーズ製作において大変なこと
量や素材が決まっている中で、新しい物を生み出すのは、簡単に聞こえるかもしれませんが、実はとっても至難!!
実際に、どんな流れで作っているかをぜひ知っていただけたらと思います。
1.豊富な素材の中から、作りたい物と使用する糸を選定
糸には、それぞれ特徴があります。ニット製品の場合、適した素材を使用し作ることが非常に重要です。
・温かいけどチクチクする
・強撚糸(糸に撚りがかかっているもの)だと、編んだ時にねじれていってしまう
・ケバ立ちが多く、靴下など摩擦が強くかかる製品には使用できない
それらの素材や在庫量、在庫のあるカラーを見ながら、その糸の良さが最大限に発揮されるようなアイテムを考える必要があります。編む機械やできることについては分からないことが多いため、石川メリヤスさんには、
「こんなことできますか?」
「こんな風に変えられますか?」
「糸を何色か入れて編むことはできますか?」
などなど、質問攻めになってしまうところを、いつも丁寧に教えていただきます♪
2.カラーバリエーションを考える
在庫の糸限定のため、残っている糸の方が少ないことの方が多いです。なので、糸の色を選ぶのには本当に苦戦します。(笑)残っていても少なすぎて製品にできなかったり、販売時にカラー展開として並んだ時にパッと映えるカラー展開になっているか、実際に使いやすいかなども選定基準になります。
生産の都合上どうしても発注のロットがあり、「200個〜の発注でお願いします。」という縛りがあります。そのため、カラーチャートとにらめっこしながら色を選んだ後、発注数が200個に達しているかを確認し、足りていない場合はまたまた頭をひねりにひねってカラー展開を考えています。
正直、色見本を眺めていても全然わからないんです。(笑)
それでも、「多分こんなイメージになるかな?この色だったら行けそうかな?!」
と数が確保できるまでひたすら数本の糸たちとにらめっこ。
「残りの糸の在庫量から、〇〇個くらいはできるかな?」
と考えていると、思っているよりも残った糸の量が少なく、想定数よりも少なく生産で出来上がってくることも多々あります。
使いかけのストックのこともあるため、どうしても正確に量を管理しておくことが難しいので、それも想定しておくべきポイントです。(笑)
そのような工程を踏んで出来上がってきたアイテムを、お客様にお届けさせていただいてます。
当然ですが、残った糸を使用したアップサイクル企画なので、残った糸が無くなったら生産は終了してしまいます。
◆以前販売しており、糸が無くなり廃盤品’s◆
商品写真を撮影したり、ページを作る作業も1ページあたり半日ほどかかることもあるため、人気商品を継続的に販売できるのは製作側の私たちにとっては嬉しいことなのですが、そもそものコンセプトが、
【MOTTAiiNA-モッタイイナ-】
三河エリアで行き場を失っている生地や糸を、当店のアイディアで”面白い”に変えよう!!!!
なので、行き場を失った糸が無くなってしまえば、当然販売も終了します^^;
今販売していても、明日には在庫が少なく売り切れてしまうことが日常茶飯事にあるんです。
ですので、MOTTAiiNA企画のシリーズ商品は、出会った時に「あ、良いな〜!」とビビッときら、その場でご購入いただくことをとてもおすすめしています♪
「あの時迷わずに買っておけばー!!残念!」なんて声もよく耳にするので、ぜひ一期一会の商品を、手にとっていただけたらと思います♪
今年も、秋口〜新しいMOTTAiiNA企画のニットシリーズを販売予定です^^
ぜひお楽しみに〜!!