スタッフ日記「使える豆知識」媒染って何?? 媒染は、草木染めに必須の工程です。2017.06.16
渦の商品の中によく出てくる言葉。
「媒染(ばいせん)」↓
よくご質問をいただくので、
本日は【媒染って何??】について
お話したいと思います。
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そもそも、まず「染める」ということを化学的に考えると、次の3つが重要です。
1.染料を繊維に物理的、化学的な力で結合させる。
2.繊維を洗ってもこすっても染料が落ちない、日光に当たっても変色しない。
3.目的の色が着色される。
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これらを聞くとちょっと小難しいですが、
植物で染めるには、
「この条件に対して媒染が必要です。」ってこと。
(化学染料と植物染料の違いはこちら)
いろんな染色方法がありますが、
代表的な「煮出して染める」という草木染めで説明していきます。
簡単にいうと
【媒染】していないと、色が落ちます。
下の写真はザクロ染め。
20分煮出して染めて、白色からマスタード色に!!
一見染まっているようですが、
この状態では洗うと、色がほとんど落ちてしまうんです。↓
ようは、生地に色が乗っているだけ、、、
そこで【媒染】を行うことで、
生地に色を結びつけてあげる効果、化学変化が生まれます!!
じゃあ、具体的に【媒染】って何をするの??
「答えは、煮出した生地を、金属に触れさせる。」
植物の色素は、鉄・アルミニウム・銅などの金属のイオンと結びつきます!!
すると、植物の色素は鮮やかな色を発色したり、水で洗っても落ちない物質に変化します。
つまりは、植物の色をしみこませた生地に
金属を含む液(媒染液)につけると、
発色して、しっかりと結びつく
ということです。
不思議ですよね〜♪
これが【媒染】の原理です!!
染める色は、媒染液の種類や濃度、染液に浸す時間でも変わりますよ♪
これがまた奥が深くて、トライ&エラーの繰り返し。
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[媒染液の主な種類]
- アルミ媒染液
- 銅媒染液
- 鉄媒染液
- チタン媒染液
漬物などに使われる「みょうばん」は、とってもよく使います。
色味を変えずにしっかり定着します。
他にも、錆びた鉄釘と酢、水をポリバケツに入れて、鉄媒染液も作ります。
鉄媒染は黒っぽい色やグレーがかった色に変化します。
(下の写真はザクロ染を鉄媒染しました。
左が媒染前、右が鉄媒染後、
マスタードカラーがグレーがかります。)↓
植物の染料を、
しっかりと繊維に定着させ、発色して色味を作るのが【媒染】なんです。
草木染めは手間がかかりますが、その色味は手間をかけてもデザインに生かしたくなります♪
この「草木染め大全」はとってもオススメの本。
おそらく、草木染めをするプロの染め屋さんも持っている方が多いのではないでしょうか。
長年蓄積されたデータで、草木染めの媒染を辞書のように使えてオススメです。
渦の商品に出てくる【媒染】と言う言葉。
この記事を読んで見ていただけると
「なるほど」と思っていただけるのではないでしょうか。
以上、【媒染って何??】のお話でした。