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UZUiROクルー日記廃業する工場の糸から生まれた、甘依りスラブセーター。— 迷い、立ち止まり、また進む。2025.12.19

【スタッフブログ/オレオ】

廃業する工場の糸から生まれた、甘依りスラブセーター。

偶然のDMがつないだご縁から、UZUiROの新しい冬の定番甘依りスラブセーターが生まれました。

廃業する工場から譲り受けた糸と、三河の繊維職人たちの技術。

最初は、糸の使い方が定まらず、試作しては失敗し、また 振り出しに戻る。
完成までに何度も壁にぶつかった「甘依りスラブセーター」の裏側を、ありのまま綴ります。


偶然のDMから始まった“ご縁”、そして動き始めた、新しいセーターづくり。

ある日、インスタグラムのDMに届いた一通のメッセージ。それは、知人から
「知多半島の軍手屋さんが実家の後輩がいて、その工場が廃業することになって、もったいない糸がたくさんあるらしく、見にいってもらえないか?」というものでした。

ダンスが趣味の夫婦の私たちなのですが、そのつながりでのバンドマンからのメール!

工場は長年、軍手などの生産を続けてきた場所とのことでした。
全く繊維とは関係のない知人からの連絡だったのですが、これも何かの縁!

とにかく行ってみよう!
それが、今回の甘依りスラブセーターの始まりでした。

“甘撚り”という糸の表情

車を走らせること30分。
実際に伺ってみると、大切に扱ってきた機械や糸が、静かにその役目を終えようとしていました。

そして、軍手を作る機械やその歴史のお話伺うと「うわーすごい!!」という言葉の連続。
熱く軍手作りに向き合ってこられたことがすぐにわかるご主人でした!

様々な糸がある中、譲り受けた糸はコットン100%の「甘撚り(あまより)」と呼ばれる独特の風合いを持つ糸。ふっくら柔らかく、手に取るだけでぬくもりを感じる素材です。

依りの強さを変えることで、凹凸があり、編み上げるとまるで空気を含んだようなふんわり感に。冬の空気の中で、素肌に心地よく寄り添ってくれる質感が特徴です。

「ぜひ使ってください」との温かいお言葉に、

「この糸を、お客様の手元へ届く形にしたい。」
そんな想いで、UZUiROチームの試作が始まりました。


職人たちの“熱”がつないだリレー

実は、工場を訪ねる際、いつもMOTTAiiNA企画のニット小物をお願いしている
石川メリヤスの大宮社長が偶然にもその工場に伺うとのことでした。
さらに、前掛けコラボでお世話になっている エニシング さんの営業の方ともばったり。

まるで、糸が導いたかのように三河のものづくりネットワークがつながっていきました。

「何とか形にしたい」
「この糸を次へつなげたい」

そうした想いが現場の空気を変えていき、
丸編み機で試作を重ねながら、甘依りスラブセーターの生地が少しずつ形になっていきました。


■ しかし、最初の試作は “大失敗” だった

いただいた糸を抱えて、まずは地元の織物工場へ。
けれど、織りにかけてみると想定外の事態が起きました。

布にすると「暖簾みたい」な硬さになってしまう

職人さんも「うーん、正直むずかしい」と首を傾げるばかり。

なかなかうまくいかずご迷惑をおかけしてすいませんでした、、、

でも、この糸に宿る独特のやさしさをいかすことを諦められず、次の試作へ!


■ 編みに切り替える決断。けれど、そこからも迷いだらけ

次に相談したのは、いつもUZUiROから一番近い工場のニッターさん。

糸を見た瞬間の第一声は、「これ、やってみな分からんね」

正解がない。
でも、可能性はゼロではない。

そこから、再び試作が始まります。

▼ 試作①:編み目が詰まりすぎて重い

スワッチを手に取った瞬間、ずしっとした重み。
「うーん…これじゃUZUiROらしくない」

▼ 試作②:実際に大きめの布を洗ってみないと伸縮がわからない

編みの密度を緩めてみると、今度はのびのびになって、形が保てない。

▼ 試作③:糸が切れる、針が合わない

丸編み機が止まるたびに、工場内にため息が広がる。

「正解はどこにある?」「そもそもこの糸はセーター向きなのか?」
そんな問いが何度も頭をよぎりました。

■ それでも前に進めたのは、“想い”があったから

正直、工場さんからは手間がかかって、他でやってほしいような案件、、、

それでも、地域の工場さんの糸を預かっていること、そしてその背景と想いを伝えると、
空気感が変わりました。

廃業で形になることがなかったはずの糸が、三河の職人たちによって受け取り、新たな価値へ生まれ変わる。
まるでリレーのようにつながっていくのを感じました。

■ 小さな「これだ」が積み上がり、ようやく形に

試行錯誤の末、「これならいけるかもしれない」という瞬間が訪れました。

  • 凹凸が生きる編み地のリズム
  • ふんわり軽いのに、頼もしさがある厚み
  • より糸特有の陰影が、やさしい立体感を生む

職人さんの「なんか、いい感じになってきたね」という一言。
その声を聞いたとき、胸の奥がじんわり熱くなりました。


“もったいない”を未来へ変える

この糸を使った製品づくりは、単なるアップサイクルではありません。

一つの糸を通じて、地域の職人がつながり、想いを一つにしたセーター。

今回の甘撚りスラブセーターは、その想いをまっすぐに形にした一着です。

 

限定生産。今シーズン限りの特別な一枚

今回の糸は、もう再生産できません。
廃業工場の在庫として、限られた分だけを譲り受けたため、
今シーズン限りの販売となります。

ショート丈、ゆったりサイズ、そしてお得セットもご用意しました。

ひとつひとつ丁寧に編み上げた、やさしい温もりを感じるセーター。
その裏には、地域とUZUiROの想いが込められています。

甘依りスラブセーターをオンラインで見る

おわりに|糸がつないだ奇跡を、これからも

偶然の出会いから生まれた一着は、私たちに改めて“ものづくりの原点”を思い出させてくれました。

誰かの手で紡がれた素材を、次の誰かに渡していく。
そんなリレーのような服づくりを、UZUiROはこれからも大切に続けていきます。

この冬、よりスラブセーターが、あなたの暮らしにあたたかく寄り添えますように。

📻 このエピソードは「おかえりUZUiROラジオ」Spotify #22 でもお聴きいただけます。
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