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スタッフ日記すくも発酵建て 日記 ③ ~嵩上げ完了編~2018.06.11

日本でかつてから行われてきた藍染方法を本藍染めなどと呼びます。

独自で少量での実験、実践する試行錯誤の様子を踏まえながら、
「すくも発酵建て 日記」と称して更新中です。

今回は、
すくも発酵建て 日記 ③ ~嵩上げ完了編~


すくもという藍の原料には、
微生物がいて、発酵を促し、活性化させ染められるようにします。
発酵が進むと、上の写真のように泡を立てると消えにくくなってきます♪

このような状態をみながら、嵩上げ(かさあげ)といって、
アルカリ性の灰汁をタイミングよく追加していき、
染められる量までの嵩にすることで藍建てが完了します。

石灰はそんなアルカリ性の強さを調整するためのもの。
発酵が進んでいくと、pH値が下がっていくので、
雑菌が繁殖しやすくなります。

そこで、石灰を追加し、
雑菌が繁殖しずらいアルカリ性の値まで戻すわけです。

とにかく挑戦です。
今回、3回に分けて嵩上げして実践です。
—————————————
最初の仕込みをしたのは、5月18日。
その日の気温は、26℃。
毎日、気温と水温を測って、
泡のでき具合、匂いで状態を確認します。

匂いは、ツーンとした感じもします。

【仕込みから3日後】
このままいけば
「嵩上げできそうだな」と思っていたところ、
気温が急激に下がりました。
測ってみると、15℃。
発酵の進みが悪くなったようなので、
電気毛布とシートでポリバケツを保温しました。

保温効果は抜群。
次の日も、気温は20℃を下回っていましたが、
水温は26℃。バッチリです。
すると、表面に膜が現れはじめます。
—————————–
すくもの発酵は、温度管理が非常に重要。

渦では夏場のみすくもの藍建てをしますが、温度管理がしやすいためです。

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【仕込みから5日後】
1回目の嵩上げです。
この時点で、試しに染めてみると、もう青く染まりました。

1番灰汁と呼ばれる、
アルカリ性の強めの最初の灰汁を足して1回目の嵩上げ完了。

【仕込みから8日後】
気温は、22-24℃程度が続き、
試し染めをしてもいい感じに染まっているため、
2回目の嵩上げをしました。

【仕込みから10日後】
とりあえず、発酵が進み一安心。
すくもの藍建ては、原料が貴重かつ、高価なため、
結構ヒヤヒヤです。プレッシャーがかかります(汗)

3回目の嵩上げで、染めるのに十分な量まで灰汁を追加し、
ここで「ふすま」も投入。
これで、藍建て完了です。

少し時間をあけてから染め始めるので、
今回かかった日数は、ちょうど2週間といったところでしょうか。

灰汁作りから始まり、そして、管理は自然素材だけで発酵を促すため、
確かに手間とコストがかかります。

しかし、日本に古くからある一つの染色の手法として、
非常に魅力的で奥が深い方法でもあるのです。

しかし、気を抜くとpH値が下がり過ぎて雑菌に負けてしまいそうなので、
シビアに管理していかねばならないと思いました。
ーーーーーーーーーーーー
発酵した後の管理も大切なのが、すくもの藍染。

3日に一回程度、
優しく、かき混ぜながら様子をみます。

ということで、次回で完結。
すくも発酵建て 日記 ④ ~染める編~ 
もお楽しみに。


自家製すくも作り~藍建て2020

すくも藍発酵建て日記① ~灰汁作り編~

すくも発酵建て 日記 ② ~こねる編~

すくも発酵建て 日記 ③ ~嵩上げ完了編~

すくも発酵建て 日記 ④ ~染める編~