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草木染め・オリジナルテキスタイルで作るカジュアルウェア

スタッフ日記お歯黒って、すごい文化だなと思う。2018.05.23

[独特の柿渋染めのグレー。
もともと何度も天日干しして茶色に染めた柿渋染めの生地を
“鉄媒染”
で深みのあるグレーに変えています。↓

鉄媒染液??
って、イメージしにくいと思いますが、
植物染料で染色したあと、鉄の成分が含まれる液体へつけて
色を止める効果、そして、黒がかるように発色させることです。
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実は、日本で昔から“鉄媒染”って使われていたんです。
それが、「お歯黒」

(お歯黒の化粧をする女性『今風化粧鏡』)
歯を黒くする昔の風習「お歯黒」は、
主成分は、鉄漿水(かねみず)と呼ばれ
酢酸に鉄を溶かした茶褐色の液体。
その鉄漿水と、草木染めでもよく使われる植物染料「五倍子(ふしこ)」の主成分のタンニンと結びついて黒く発色させて
歯を黒くするようです。
黒豆を黒く煮るために釘を入れることも、大体同じ原理だと思われます。

渦でも、お酢とさびた鉄釘で「鉄媒染液=鉄漿水」を作ったりしてます♪
匂いはツ〜ンとして、結構きつめです。(笑)
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そもそも、最近は見ることはなくなったお歯黒。
ちょっと歴史を調べてみました。
実は、日本でのお歯黒の歴史はかなり長く、
「卑弥呼」の時代にはもうお歯黒をしていたとか。
(魏志倭人伝に載っているそうです。)
平安時代の公家文化のころは、
男性もお歯黒をして、眉を剃っていたようで、
江戸時代には、
既婚の女性がお歯黒をしていたので、既婚者かどうかすぐにわかったとのこと。
(参考資料 「日本人なら知っておきたい 江戸の庶民の朝から晩まで」)
歯に汚れがあると色ムラができるので、きれに掃除をしてから塗り、
さらにお歯黒は虫歯予防の効果があり、江戸時代の女性は虫歯が少なかったようです。
へ〜っと思います。
しかし、そんな長い歴史のお歯黒は明治時代に急激に衰退。
というのも、お歯黒禁止令が明治政府から3度(1868年・1870年・1873年)も出された。
西欧の方から見ると、あまりよく見えなかったらしく、
西欧化を進める日本は禁止令を出したようです。
 
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昔の人は黒がよかったそんな日本の独特さは素晴らしいと思い、
失われるのは寂しい気もしますが、
自分は、白い歯のが良いな〜と普通に思ってしまうので、
欧米化された日本人の一人ですね。
こういった歴史を見ると、
自分が生活する文化の立ち位置、感覚の理由が見えてくるので、
デザイン製作のヒントになります。
人々の感性というのはどんどん変わっていくのだなと勉強になりますね。