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草木染め・オリジナルテキスタイルで作るカジュアルウェア

スタッフ日記糸の種類を知ってると楽しくなる、Tシャツ選び♪2020.02.07

ATCHです。

先日、お客さまからこんな質問がありました。

「コーマ糸って何??」

Tシャツなどをネットで購入するときに、
見かけたワードだったそうですが、

「確かに、繊維に詳しくないとわかりずらいワードだな」と感じました。

ということで、糸の種類の話です。

 

【カード糸、コーマ糸の違いって?】

紡績と呼ばれる行程で、原綿から繊維を撚る時に、
どれだけ綿の中に含まれる余分な短い繊維を取り除くかでその呼び方が変わります。



:カード糸

もっとも一般的でよく使われる糸で、
カード工程をしているから、カード糸と呼ばれます。
“card”とは、すき櫛 毛羽立て機を意味しているとのことで、
荒く短い繊維をすいて取り除いています。

太番手の糸が多いです。
光沢はあまりなく、毛羽(けば)が多めなのが特徴です。
コーマ糸よりサラッとしていて硬めです。

 

:コーマ糸

カード糸よりさらに表面の不要な繊維を除去する「コーミング」という工程をしたものが「コーマ糸」です。

削ぎ落とす繊維の量が多いため、カード糸に比べて高価な場合が多いです。
より繊維が均一になり、毛羽立ちにくく、糸の表面が綺麗で長持ちすると言われています。
細い番手が多いです。たくさん削って、繊維を贅沢に使うといったイメージでしょうか。

(画像はapparel fashion wikiより)


 

渦では、両方の糸でできた商品があります。
それぞれの特性が考慮されて生地が出来上がっているんです。

“コーマ糸”の方が値段としては高価なのですが、
“カード糸”の質が悪いというわけではなく、特性が違うという捉え方が正しいかと思います。

例えば、当店の一番人気のガーゼTシャツは、”カード糸”の織物です。
涼しさが必要なので、サラッとしている”カード糸”の特徴が生かされています。

ゆったりガーゼロンT/柿渋グレー/知多木綿 3重ガーゼ

 

逆に、編み物のこちらのTシャツは、”コーマ糸”の編物です。
滑らかさを兼備えた高品質Tシャツを製作するため、
毛羽が少ない”コーマ糸”を使用しています。


(刺し子織パッチアートTシャツ/生成り/和歌山県産 ニット編生地)

 

なかなか普段は糸まで意識することはあまりないと思いますが、
見た目や着心地だけでなく、こういった糸の知識があると、
Tシャツひとつを選ぶ時も、より楽しくなるかもしれません♪


 

余談ですが、

「”ヨンマルソーシ” で織った生地だよ」
なんてワードで機屋さんが話をしてくれたりします。

「なんのこっちゃ??」というかたも多いと思いますが、
“40番手の2本の糸を撚ってできた糸”のことです。

単糸(タンシ)、双糸(ソウシ)などがあり、
双糸はお互いの糸が綿繊維の脱落を防ぎます。

 

こんな話は、紡績屋さん、機屋さん、メリヤスさんの関係者は、
「当たり前のワードすぎて説明する必要あるの??」って感じることだと思います。

でもでも、洋服を販売する人となると、
急に当たり前ではなくなってしまいます。

“繊維の製造加工”と”衣料の販売(ファッション分野)”
では、距離感があることが多いからではないでしょうか??

どの分野でもそうですが、工程が高度に分業化しているため、
分野外の人からするとわかりにくい部分が非常に多いんです。
また、情報が共有できていません。

だから、気になる服の製造における詳細を調べようにも、
ネットで検索できるものはかなり少ないと思います。

 

かつて、このお店を始める前は、
洋服を買う時に感じていたことがあります。

販売員さんは、コーデや使い方などの説明は上手でも、
どこでどんな行程で製造されたかは、
詳しく説明できないし、おそらく知らない、、、
ということって当たり前なんだな〜と思っていました。

 

そんな部分を解消できるような、
「製造と販売がきちんとつながっているお店があったらいいな。」
が当店の運営基本テーマの一つです。

当店では、できる部分は自社製作し、自社販売をしております。
また、自分たちで足が運べる近隣の生産現場とお付き合いし、
どこでどういった工程をしたかがわかるように心がけています。

この距離感を縮めるのは、企画デザインをしている分野なのかなと思っています。
糸選びから始まる生産現場のこうした目に見えないこだわりがあることも感じていただければ幸いです。