スタッフ日記日本のエコ染料、柿渋。当店人気カラー/ブラウン&グレー&オレンジの独自ポイント♪2021.06.14
ATCHです。
今日は当店の人気カラー
柿渋染めについてです。
柿渋定番の色味は、ブラウン♪
同じ染料から、グレーやオレンジも作れます♪
(カジュアルワンピース/グレー/三河織物)
(ゆったりガーゼTシャツ/オレンジ/知多木綿 ダブルガーゼ)
シンプルに染めても、なんとも深い色合いで独特のムラ感も含め、印象的な仕上がりになります。
-柿渋染めは、日本で昔から広く使われてきた染料なんです-
そもそそも柿渋とは、渋柿の果汁を1年以上かけて発酵させたもの。
発酵でできる染料はかなり独特の強いにおいがあります。
柿タンニン成分を多く含み、防虫抗菌作用が高いと言われてきました。
(近年の研究等でも発表等もあります。広島大学より引用)
衣類の染色だけでなく、
高血圧や火傷の薬、
家の柱に塗って木材の防腐塗料、
型紙などの生産など
かつてより幅広い用途で使われてきました。
太陽の元、紫外線に当てることで、
ベージュから、どんどんと茶色に発色していきます。
かなり不思議な定着の仕組みですよね♪
また、加えて生地を強くする効果も期待できます。
廃液も少なく染めることができ、まさにいい事尽くし!!??です。
-柿渋は「硬くなる性質」がある-
この特徴を生かして生産できるのが、
伊勢型紙などはじめとする工芸品。
紙がカチカチになって、型紙として使用できるようになります♪
-この「硬くなる!!」が当店にとっての課題に-
紫外線は、布に対して一定には当たらないので、
なんとも言えないムラ感が生まれ、独特の風合いに仕上がります。
また繊維に定着すると、
「シャリっとパリッと」
と言う表現がぴったりなのですが、
染めれば染めるほど通常ですと硬くなっていきます。
当店の柔らかいガーゼを使用したトップスは、
お客様から
「とにかく柔らかい肌触りがうれしい!!」
とご感想をいただいてきたので、
「柿渋染とこの柔らかさをなんとか両立できないものか??」
と当初はとにかく悩んだポイントでした!!
柿渋染の抗菌作用や独特の風合いを生かすと、
硬くなってしまう、、、
さらに、においが強い、、、
ということで様々な方法を独自で試行錯誤!
-まず、におい-
これは、近年の技術で、無臭柿渋が開発されていることで解決!
当店は、京都で生産される無臭柿渋を仕入れて使用しています。
-次に硬さ-
これは、かなり色々な方法を試しました。
柿渋を使用する時点で、生地は必ず硬くなりますが、
それをいかに和らげるかがポイントでした。
–紫外線に一切当てないようにする!!-
という当店独自の方法に辿り着きました。
開業当時は、こんな感じで屋根に干して発色させていましたが、
蒸すことで柿渋の色を発色をさせる職人さんのお話をヒントに、
試作を何度も何度も重ね、
熱処理による当店独自の方法で現在は染色をしています。
(今でも商品の用途やデザインに合わせて天日干しをしています。)
一度柿渋を定着させた布に、
媒染という処理により色味を分けます。
ブラウンから↓
グレーは、Fe(鉄)
オレンジは、Ti(チタン)
にて色味を変えます。
それぞれの特徴を生かし、出来るだけ柔らかい状態で仕上がるように染色しています。
他の染色方法と比べると、最初は多少のハリはありますが、
これはご使用に連れて徐々に柔らかくなります。
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なんとも特徴的な風合いの柿渋染アイテム♪
色味の経年変化もありますが、それもまたご使用の楽しみです♪
排水も少なく、
日本の誇るエコでサステイナブルな染料が柿渋です!!
当店の柿渋アイテムは、シンプルな中に個性を演出してくれます。
ぜひコーデにアクセントを入れてみてください♪